EUtech:石炭火力の空気流量・石炭粒度・炉内温度をオンラインで把握
煙道のO₂やNOxは結果を示しますが、配風、ミル・分級機、温度偏りのどれが原因かまでは分からない場合があります。ドイツ・アーヘンのEUtechが提供する三つの診断手法を紹介します。[1][2]
EUtech資料を基にSuperMROが作成した概念図。個別設備の設計図ではありません。
三つのデータを合わせて読む
各バーナーでは空気量と燃料量・粒子特性の釣り合いが重要です。粗い粒子や偏りは燃え切りに、温度の不均衡はスラッギング、熱応力、SNCRに関係します。単一信号で原因を断定せず、負荷と炭質を揃えて比較します。[2]
EUsoft air:DCS信号による仮想風量計測
物理モデルと既存のDCSプロセス信号から空気経路や対象バーナーの流量を推定します。メーカーはDCS統合、センサー異常や漏風の早期発見、追加ハードウェアの抑制を説明しています。ただし入力品質、設備固有モデル、現地検証が不可欠で、保護用計装を無条件に置き換えるものではありません。[1][3]
EUcoalsizer:運転中の微粉炭粒度
挿入式レーザープローブで微粉炭管内の粒径分布を測定します。製品資料には流速・温度、連続測定や調査用途もあります。管ごとの比較やミル・分級機の調整評価に役立ちます。660 MWeの公表事例では分級機回転数に伴う75 µm未満の割合と燃料配分の変化が示されますが、他設備の保証値ではありません。[4][6]
EUflame 2D:一点ではない温度分布
光学式の二次元温度プロファイルにより重要な炉内領域を可視化し、構成に応じて炉出口ガス温度FEGTを評価します。高温部や偏り、SNCR温度窓の検討に使え、固定式・移動式があります。これは燃焼診断用の温度測定であり、保護回路の火炎有無検出器とは別です。視線、粉じん、設置と検証を確認します。[1][5]
測定から検証可能な調整へ
負荷・燃料の基準を定め、配風、ミル後の粒度、管間差を調べ、温度図をO₂、CO、NOx、未燃炭素、付着履歴と照合します。変更は一項目ずつ行い、同等条件で前後比較します。EUcoalflowは管別の石炭質量流量・速度を測る別モジュールで、粒度を測るEUcoalsizerとは区別します。[1][2]
適用と事前調査
複数ミル・複数バーナーを持ち炭質や負荷が変わる石炭火力が主な対象です。バイオマス、廃棄物発電などはモジュール別に適合を検討します。空気・石炭配管図、測定口、DCS信号、運転履歴、受入基準を確認し、移動式診断から常設へ進める方法もあります。[2]
SuperMROの視点
SuperMROは設備チームと症状、既存データ、測定の不足、試験範囲を整理し、必要に応じてメーカー・専門家の評価、統合、検証を調整できます。本稿はEUtechの公開資料に基づく技術紹介であり、導入実績や代理店契約を主張しません。効果は各設備のデータで確認します。
